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# Founder Mode
世界的に有名な著書『Hackers & Painters』の作者であり、Airbnb、DoorDashなどのグローバル企業をVCとして支援するY Combinatorの共同創設者でもあるPaul Grahamが、自身の[ブログ](https://paulgraham.com/foundermode.html)でFounder Modeについて言及していました。
> In effect there are two different ways to run a company: founder mode and manager mode. Till now most people even in Silicon Valley have implicitly assumed that scaling a startup meant switching to manager mode. But we can infer the existence of another mode from the dismay of founders who've tried it, and the success of their attempts to escape from it.
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上記YouTubeで、Airbnbの創業者であるBrian Cheskyが言うように、「大きな山を登った後、ヘリコプターから山を見ただけの人に、次のさらに高い山を任せた」ということと同じです。
[[Sense of Wonder EP2]]で[[Brilliant Jerk]]について触れましたが、Steve JobsはBrilliant Jerkではなく、Founder Modeで会社を運営していました。会社の成長に伴い、運営のプロフェッショナルを採用し、自身が現場から離れる状況を作り出してしまいます。こういったシニアエグゼクティブは管理のエキスパートですが、多くの場合、プロダクトにあまり関心がなく、無関心な状態になりがちです。さらに、この管理層は同じように無関心な中間管理職を連れてくるため、会社本来のカルチャーが失われてしまうのです。
Founder Modeについていくつ要点をまとめてみました。
- Founder Modeの対義語はManager Mode
- Manager Modeは基本的に自分にレポートする人しか管理しない
- Founder Modeは概念的なものであり、どの経営本にも言及されていない
- Founder Modeの場合、Founderは「会社にとって最も重要な社員」と会話すべき
- Founderとして深い情熱と愛着を持ち、会社を自分自身の一部として捉えるため、会社の方向性を大きく変える権限や勇気がある
- Founderは会社、プロダクトを作ってきたらから作り直す方法が分かっている
- これからこの概念は流行になれば誤用されてしまう可能性が高い
一見、会社の創業者の話に見えますが、このマインドセットは実は採用において重要だと思います。特に部署、チーム、リージョンの最初のメンバーを採用する際に極めて重要です。創業者ではなくても、チームや部署を立ち上げるメンバーとして、単に言われたことをこなすだけでなく、そういった情熱を持っているかどうかは、実は採用プロセスの中で特に重視しています。特に外資系企業が日本で事業展開する際の採用は、大体英語力と経歴重視となっています。これは多くの海外テクノロジー企業が日本でのビジネス展開に失敗する要因の一つです。会社、部署、チームのカルチャーと成否は、最初の一人に大きく左右されることは決して過言ではありません。
# Articles
[メルカリで値段の「¥マーク」を小さくしたら購入率が伸びた理由、ペイディがサービス名を「カタカナ表記」にする理由など、プロダクトのマーケ施策まとめ30(2023)|アプリマーケティング研究所](https://markelabo.com/n/n122fe2047658)
小さな改善が大きな効果をもたらす事例集です。¥マークを小さくするだけで購入率に大きな影響を与えることができます。このような分析に基づき、新機能の追加ではなく細かい修正によって事業を成長させる手法は「Growth Engineering」と呼ばれています。多くのテック企業では、その重要性から専門チームを設置しているほどです。
![[Sense of Wonder EP3-20241006215951473.webp]]
# Tools自分が面白いと思った有益な情報を記録します。主に週末にリリースします。
[Raycast - Your shortcut to everything](https://www.raycast.com/)
プロダクティビティアプリケーションとして有名なAlfredの対抗馬として登場したRaycastは、デザインやマーケティング1を含めたモダーンなアプローチで、エンジニア界隈ですでに大きな注目を集めています。特に大きな差別化要因はAI機能です。現在開いているアプリで選択したテキストを自動的に取り込み、AIに質問し、修正した結果をEnterキー一つでペーストできる体験は、一度利用すると手放せなくなります。私がよく利用しているのは英語の添削ですが、Slackでチームとコミュニケーションする際に、表現をより柔らかくするためにも頻繁に活用しています。
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